『あなたが普段抱えている痛みはどのようなものでしょうか?』
もし、その抱えている痛みが関節の痛みだと思っているあなた.
【あなたが関節の痛みを改善するために知っておくべきことがあります.】
「関節が変形しているから痛いんですよ。」と言われ,関節が痛いほとんどの人が「関節が変形しているから痛い。」と勘違いしています.
そして,関節の変形は手術でしか治らないと助言され治療を諦め,歩くことができなくなったら手術を行う方が大変多くいらっしゃいます.
近年の研究の進歩により,関節痛の原因は筋膜にあると明らかになってきました.
関節は関節包という袋状の膜に包まれており,その袋状の膜は周囲の靱帯や支帯というものに接続されています.
そしてそれらの組織と直接繋がりのある組織,それが筋膜組織という組織です.
筋膜の歪みや,滑走不全が起きることで,周囲の組織の痛みを感じる受容体に問題が起こり,それが関節の痛みとして発痛作用を受けることが多々あるのです.
過去20年間は筋肉のストレッチや筋トレ,そして体幹トレーニングが注目されてきました.
しかし,今後は筋膜を専門的に治療してもらうことが関節の痛みを改善するためには必須になってくるでしょう.
『筋膜』を施術対象として理解するとき,皆様は何を理解して施術を行っているでしょう?
いわゆる
「全身に広がっている」
「繋がっている」
「器官を覆っている」
「それぞれの器官を繋げているもの」
という筋膜組織の一連の繋がりにばかり目が行きがちではないでしょうか?
筋膜を施術するにあたりこの「繋がり」という視点は大変重要な知識なのですが,この知識の理解のみでは筋膜の治療をすることは大変不十分なのです.
確かに,筋膜は全身に繋がり,そして筋と筋を繋いでいるものです.
筋の約37%は筋膜に停止するとも研究で証明されていることからも筋と筋膜の密接な繋がりは重要視されます.
→詳しくは以前のコラム「一分で読める筋膜の生理学」
しかし、それは筋肉だけではなく神経や血管をも包み,リンパや内臓器の蠕動運動を助けたり,またそれを阻害したり,場所によっては鼻や口の粘膜を構成し,そして耳では鼓膜の張力をも調整します.
そのような多くの物を取り囲む『膜』に皆さんはどのようなイメージが有るでしょうか?
サランラップのような素材?
皮膚のような組織?
それともカーボンのような素材?
筋肉のような組織?
脂肪のような組織?
一概に『膜』と言っても,その『膜』組織の材質(細胞の種類)を理解することで,治療の時に細胞にどのような刺激を与えなければならないのかが異なります.
ただただ『筋膜を伸ばせばいい』というものではありません.
筋膜を知る上で重要な要素として
以下の3種類があります.
❥線維(コラーゲン線維とエラスチン線維)
❥基質(ヒアルロン酸と水分)
❥筋紡錘・腱紡錘
これらの3つの重要な要素が筋膜の正しい働きを生み出します.
次回はこれら3つの重要な要素の特徴について描かせていただきたいと思います.
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この記事を書いた人
《資格》 Advanced diploma of Physical Therapist (理学療法士:高度専門士) Certificated physical therapist in Orthopa ...
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