コラム

筋膜治療の重要性②

【あなたが関節の痛みを改善するために知っておくべきと】

「あなたは関節が変形しているから痛いんですよ。」と言われ,関節が痛い人ほとんどが「関節が変形しているから痛い」と勘違いしています.

そして、関節の変形のほとんどは手術でしか治らないと助言され治療を諦め,歩くことができなくなったら手術を行う方が多くいらっしゃいます。

近年の研究の進歩により,関節痛の原因は筋膜にあることが明らかになってきました.

本日は前回の「筋膜治療の重要性①」に続き,筋膜の構成要素など組織的なお話をさせていただきます.

 

筋膜を構成する要素には以下の3つの物がある。

 

❥細胞(線維)ーコラーゲンとエラスチン

❥基質(ヒアルロン酸と水分)

❥筋紡錘,腱紡錘

 

これらの構成要素が筋膜を生み出す。

 

 

❥線維

筋膜組織は主にコラーゲン組織エラスチン線維という繊維に分類されます.

コラーゲンは皆様もご存知の通り無色透明であり,食用や美容にも使われる組織ですが,人体は多くの多種多彩のコラーゲン繊維で構成されています.

骨や眼球,軟骨や半月板も脾臓や肝臓までも傷口を閉じるときですらこのコラーゲンという線維から成り立っています.

このコラーゲンという線維は組織に構造を与えます.

いわゆる組織の骨組みとなり強度を与えます.
 そして,コラーゲンという線維は早い張力に強く,弱い張力により伸びるという性質を持っています.

もう一つの線維としては,エラスチン線維というものが存在しており,エラスチン線維はいわゆる【ゴム】のような線維となっています.

黄色の線維でコラーゲン繊維に絡みつき組織に弾性を与えます.

エラスチン線維は張力を与えると伸びるという性質を持ち,主に筋組織に多く含まれる組織となっています.

これらのコラーゲンとエラスチンが交互に絡みあい直列線維と波状線維となり膜(筋外膜・筋周膜・筋内膜)や腱線維といった線維を作り出しています.

 

 

❥基質

基質というものは筋膜では主に,ヒアルロン酸という線維が重要要素として挙げられます.
ヒアルロン酸とはグルコサミノグリカン(酸性ムコ多糖類)からなる基質であり,【水分含有量】が多いいわば『はちみつ』のような状態のものです.

健康な筋膜はお互いの層を滑走します.その滑走を担っているのが水分含有量が多いこのヒアルロン酸です.

ヒアルロン酸は疎性結合組織の内部に存在し,コラーゲン繊維の滑剤として機能しており,筋膜の伸張性を維持するために重要な要素となっています.

水分が失われるとヒアルロン酸は【ネバネバ】が強くなり組織を密集させるようにくっついていきます.

またその組織の密度が更に増加することで組織から水分を押し出す様になり,さらに水分が少なくなるという悪循環を辿ってしまい,筋膜の滑走性を低下させてしまいます.

 

 

❥筋紡錘,腱紡錘

筋紡錘や腱紡錘は組織の張力を感じ取るセンサーの役割をしているものです.

筋紡錘の被膜は,筋周膜や筋肉と筋肉の間にある中隔などに被うようにして存在し他の様々な組織に付着します.

筋の緊張を感知し制御や維持を行ない,【動的反射】のメカニズムを活性化します.

そして,重力による刺激を感知し筋収縮を維持する,巧緻動作を制御するなどの働きがあります.

筋紡錘により正常な組織の張力や緊張を感知しているために周囲の膜組織が高密度化を起こすことで,錘内筋線維に存在する螺旋紡錘組織の伸張を起こせなくするために筋の張力を感知することができなくなってしまい,正しい命令が収縮させる筋に伝わらなくなってしまいます.

 

 

これらの組織が各々の働きが【身体の代償や病理学的な変化】により【組織の変性,筋膜の高密度化の原因】となってしまいます.

一部分が滑走しなくなる(脱水やヒアルロン酸の密度化,コラーゲン繊維の不整)になると,身体の他の部分で筋膜の緊張を増大させるなどすることで身体にバランスを取ろうとします.(ie.右から引っ張られると,左から引っ張り返しその場に留まろうとするように均衡を保とうとする.)

つまり,代償動作が起こります.

すると全身の筋膜の張力が更に増大します。

筋紡錘や腱紡錘の周囲も高密度化が強くなり正しい筋発火ができなくなります。

動くために20%の力で十分なのに100%の力を出さないと動作ができなくなります。

必要よりも多くの刺激を受容器が受けることとなり痛みを自覚したり,日常生活で痛みを感じることになってしまいます.

 

筋膜の治療を始めるには先ず「筋膜の組織の理解」をしなければなりません.

それは,施術をする側・される側どちらにも必要なのです.

【全身につながっているから】

それだけが筋膜を治療しなければならない理由ではないのです.

 

Kazu
この記事を書いた人

《資格》 Advanced diploma of Physical Therapist (理学療法士:高度専門士) Certificated physical therapist in Orthopa ...

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